マンションのキッチンリフォーム費用相場とポイント
はじめに・・・
マンションのキッチンをリフォームする場合、リフォーム費用の相場、工期が気になります。
しかし、マンションのキッチンをリフォームする際は、マンションの構造や管理規約上の制限によって一部要望の通りにリフォームができない場合があることをはじめに注意することがポイントです。
例えば、システムキッチンの位置を移動させること、IHクッキングヒーターに変更することができないことがあります。
特に、2011年の震災前に建てられた古いマンションでは、リフォームのご相談をいただく案件の約2割は、希望通りの変更が難しく実現するための工夫が必要となります。システムキッチンの位置を移動できない場合は床をちょっと高くするなどといった工夫次第で、希望のシステムキッチンへ近づけることができます。
マンションのキッチンリフォームは、戸建て物件と少し異なり制限があります。どこに注意するべきか、また価格、費用相場はどのくらい必要なのか?予算内で、失敗しない希望のシステムキッチンへリフォームするために初めに知っていただきたい注意点を詳しくご紹介します。
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1)キッチン自体を新しいシステムキッチンに交換する
キッチンの位置を変更せずに、新しいシステムキッチンに交換します。
この場合、必要となる費用は、新しいシステムキッチンの費用+工事費用です。
シンプル | スタンダード | ハイグレード | |
---|---|---|---|
I型キッチン(壁付けキッチン) | 30万~50万円 | 60万~120万円 | 70~300万円 |
対面式キッチン 腰壁つきタイプ | 60万~90万円 | 70万~130万円 | 80~350万円 |
ペニンシュラ型 対面 壁付け | 70万~100万円 | 80万~130万円 | 90~350万円 |
アイランド型(対面式) | 90万~120万円 | 120万~180万円 | 175~350万円 |
L字型 キッチン | 100万~130万円 | 130万~190万円 | 195~250万円 |
I型キッチン(壁付けキッチン)
・料理に集中したい
・吊棚など収納スペースを取りやすい
・間取が小さくていい
・吊収納を設置し、収納を増やす
・費用相場:30万~120万円
対面式キッチン 腰壁つきタイプ
キッチンとダイニングの間に腰壁を付けたタイプ
・生活感が出がちな手元を隠せる
・油の飛び跳ねを気にしなくていい
・片側だけ通路を確保すればいいため
・狭い間取りに設置できる
・費用相場:60万~130万円
ペニンシュラ型 対面 壁付け
・キッチンの片側が壁についている対面型
・コミニュケーションを大切にしたい
・油が飛び跳ねる
・片側だけ通路を確保すればいいため
・狭い間取りに設置できる
・費用相場:70万~130万円
アイランド型(対面式)
・コミニュケーションを大切にしたい
・左右の通路が必要なため、ある程度
・スペースが必要
・おしゃれに設計が可能
・費用相場:90万~180万円
L字型 キッチン
・作業スペースが広い
・作業導線が短い
・コーナー部分がデッドスペースになることがある
・間取を大きくとる必要がある
・費用相場:100万~190万円
シンプル→スタンダード→ハイグレードキッチンとグレードによって価格が違うのは、主に
―システムキッチンの大きさ(サイズ)
―使われている素材(ステンレス、木材)
―食洗器や収納などのオプション内容
の違いになります。
最近では、感染対策として、キッチンの水栓にこだわる方が多いです。
タッチレス水栓にすることで、直接水栓に触れることなく、水を出したり止めたりすることができます。タッチレス水栓は、後付けもできますが、システムキッチン本体に採用されているものが増えています。
キッチンリフォーム時にタッチレス水栓への変更費用はおおよそ35,000円~が相場です。
2)キッチンの場所を変更する(フローリングも一部張り替える)
キッチンの場所を変更し、壁付け型キッチンを、アイランド式に変更することができます。
おおよそ、システムキッチン変更の価格にプラス30~50万円程度(フローリング代金含む)で施工ができます。
また、壁付け型キッチンをL字タイプに変更することもできます。
3)キッチンに収納を増やす
キッチンの収納を追加する場合
一般的な吊戸棚を追加する場合は、5万~10万円
昇降機能付きの吊戸棚を追加する場合は、6万から12万円 程度がおおよその費用相場です。(設置費用、運送、棚代金含む)
大きさ、扉のグレードによって費用相場はさらに高くなります。
2000年以前に建てられたマンションは、床下を自由に変更できないケースが多いため床下収納が設置できない場合が多いです。
新しいシステムキッチンと合わせて吊戸棚などの収納を追加することで、設置費用を抑えることができるケースが多いです。
また、当社の場合は、家主さんがご自身で用意した棚を組立、設置を行います。
家主さんがIKEAで購入された棚を組立、設置したこともあります。
マンションのキッチンリフォーム注意点
戸建て住宅では問題になりませんが、マンションのキッチンリフォームを行う場合は、以下の3点注意する必要があります。
1)キッチンの位置変更ができない場合がある
2)IHクッキングヒーターに変更できない
3)マンション管理規約
1)キッチンの位置変更ができない場合がある(水道の配管位置変更)
キッチンの位置を変更する場合、特にアイランドキッチンにしたい方などは、水道の配管位置を変更できるかをまず初めに確認する必要があります。
新しいマンションの場合、床下が2重構造になっているため、配管位置を変更するスペースがあるため自由に変更することができます。
2000年の耐震基準改定前に建てられたマンションの場合、床下が2重構造になっていないため、配管がコンクリートの床に埋まっているため、排水の勾配が取れなく移動できないことがあります。
マンションのキッチンリフォームのご相談のうち、2割程度がこのパターンです。
コンクリートで固められた配管を、コンクリートを割って移動させることはできませんので、今出ている配管の上を伸ばす作業が必要となります。こういった場合は、L型のシステムキッチンをご提案させていただくか、キッチンフロアの床上げを行い、配管を伸ばして希望の位置へ移動させる といった施工を行います。
L型のシステムキッチンに変更する場合は、キッチン自体が少し高くなりますので、I型システムキッチンの価格+20万円程度が費用相場となります。
床上げを行う場合は、フローリング、フロアタイル、クッションフローリングの変更が発生します。システムキッチンの大きさによって異なりますが、大体システムキッチンの価格+30~50万程度(床材費用含む)が必要となります。
床上げを行った施工事例です
矢印部分の床が、10センチほど高く上がっています。
配管を伸ばすためのスペース確保として、床上げを行いました。
この施工事例は、写真背面の壁側に設置していたキッチンを移動し、アイランドキッチンにしています。
2)IHクッキングヒーターに変更できない
IHクッキングヒーターに変更する際は
1.契約アンペア数を上げられるか?
2.200V配線を設定してよいか
3.管理組合の許可がえられるか
これら3点を確認する必要があります。
1.契約アンペア数を上げられるか
IHクッキングヒーターは、使う電気の容量が必要になります。
ファミリータイプのマンションでは、一般的な契約 電気量は、40~50A程度です。
IHクッキングヒーターを利用するには、現在の契約電気量に20A程度追加が必要となります。
マンションでは、マンション全体の電気容量が決まっているため、1戸あたりの契約アンペア数を増やすことができないケースがあります。
個数が少ない小規模マンション、10年ほど前に建てられたマンションでは、契約アンペア数を増やすことができないケースが多く見受けられます。
管理組合に連絡し、契約アンペア数を増やしてもらえるのか確認する必要があります。
2.200V配線を設定してよいか
許可が出た場合は、200VのIHクッキングヒーター専用回路を追加する配線工事が必要です。
分電盤からキッチンまでの配線工事を行います。
マンションの場合、分電盤の位置がキッチンと離れているケースが多く、床下スペースが無いため、天井裏から配線を延ばす作業を行います。
この配管工事は、おおよそ10万円~20万円程度 かかります。
御見積は、マンションの図面を見せていただき、具体的にどのように施工するか決定したうえで提出します。
3.管理組合の許可がえられるか
マンションの築年数が古い場合、マンション管理規約上、IHクッキングヒーターに切り替えられない場合があります。
マンション全体での電気容量が決まっています。数戸はIHクッキングヒーターに切り替えはできても、全戸は対応できないといったことから、不公平感をなくするためマンション管理規約に掲載されることが増えています。この場合は、IHクッキングヒーターではなく、ガスコンロを利用いただくしかありません。
3)マンション管理規約
上述した以外にも、マンションならではの事前に確認すべき管理規約があります。
1.床材の変更
2.工期の制限
3.工事実施の案内文掲示
1.床材の変更
自由な床材に変更できない場合もあります。
フローリングの遮音性能に関する成約がある場合があります。
前述した、床上げをする場合も事前にマンション管理規約を確認する必要があります。
2.工期の制限
騒音、粉塵などで近所に迷惑をかける場合があります。
そのためマンション管理規約で、工事時間や曜日を制限しているケースがあります。
日曜・祝日は作業禁止、作業時間は、9時~17時と制限しているマンションが多いです。
作業時間は、片付けや撤去時間、システムキッチンなどのリフォーム器材搬入時間も含むのかも合わせて確認する必要があります。また管理規約上、問題がない場合も工事が始まる前には、左右、上下の住人へは最低限挨拶は必要です。
不安な方は、ご一緒しますのでお知らせください。
3.工事実施の案内文掲示
その他、マンションの工事実施の案内文の掲示が必要です。こちらの資料は、リフォーム会社が作成するケースが多いです。
掲示期間(工事の何日前から掲示が必要か)など細かく制約している場合があります。
こちらはリフォームの詳細内容が決定したのちに、改めて確認をとる必要があります。
キッチンリフォームの工期
キッチンリフォームの工期(実際の施工日)は、キッチンの交換自体で、2~3日。
床張り替えやキッチン全体のリフォームで、7日~10日程度です。
キッチンリフォームの場合、デザイン変更および消防申請期間、管理組合申請期間が追加で1週間程度必要です。
棚の設置、壁紙の張替えなど、合わせてリフォームを行う場合は、さらに工期が延びます。
事前にご希望をお伺いし、御見積を提出した際に、おおよその工期をご案内できます。
マンションのキッチンリフォームの流れ
マンションのキッチンリフォームにはいくつかの制約があります。
キッチンリフォームを行う手順としては
1)理想のシステムキッチンのデザインを決める
2)IHクッキングヒーターかガスコンロを利用したいか決める
3)リフォーム業者に、理想のシステムキッチンへの施工が可能か確認し、見積もりを取る
4)マンション管理規約の確認と管理会社への連絡を行い、希望のリフォームが可能か確認する
5)リフォーム業者と契約し、工期などを確認する
6)ご近所さんへ挨拶を行う
7)リフォーム開始
となります。
マンションならではの手間はありますが、近隣住戸との穏やかなお付き合いができるようルールを守って進める必要があります。
まとめ
マンションリフォームはいくつか制約があるものの、工夫をすることで、理想のキッチンへリフォームすることができます。
リフォーム会社へ相談すると、リフォーム会社⇒工務店とマージンが発生することがあります。
費用を抑えて理想のシステムキッチンへリフォームするなら、何年もある地元の工務店へいくつかご相談されることをお勧めします。
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